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2025年/第39回「外国人住民基本法」の制定を求める全国キリスト者集会宣言

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私たち「外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会」(外キ協)は、2025123日〜24日に第39回全国協議会を在日韓国基督教会館(KCC)において開催しました。「在日コリアン・移民・難民と共に生きる教会」との主題のもと、各地外キ連および外キ協加盟各教派・団体の代表者ら52名が参加し、「外国人住民基本法」「人種差別撤廃基本法」「難民保護法」の実現と、在日コリアン・移民・難民と共に生きる地域社会の形成に向けて、在日コリアン・移住者の歴史と経験に聞き、指紋拒否に始まる外キ協運動39年の歩みと到達点を確認し、教会・市民社会の課題を担う新たな宣教プラットフォームの構想をめぐり意見を交わしました。

協議会ではまず、5人に1人以上が外国籍住民のまち大阪市生野区における、多文化共生のまちづくりの実践を学びました。子どもたちを通して、日本社会の課題に気づかされ、問われながら、民族保育に取り組んでおられる地域の諸保育園。誰もが暮らしやすく、誰一人取り残さないグローバルタウンの拠点として、学習サポート教室「DO-YA」の運営や、「いくの万国夜市」の開催などに取り組んでおられる「NPO法人IKUNO・多文化ふらっと」。地域・企業・大学などと連携しながら、地域全体で、共生社会を実現していこうという力強い姿勢が伝わってきました。

京都府宇治市のウトロ地区の歴史からは、差別や分断を乗り越える力と、希望をいただくことができました。「ウトロ平和祈念館」には、差別や偏見に晒されながらも、諦めずに、自分達の尊厳を訴え続けた在日コリアンの人々と、それを自分達の課題として立ち上がった日本の人々との、共働の実践が紹介されています。差別や分断を乗り越えてつながっていくことの喜び、共に生きることの素晴らしさを、教えていただきました。

在日大韓基督教会は、在日コリアンとしての民族の苦悩を己の苦悩として受けとめ、この世に今も生きて働きたもうキリストの救いが生の全領域における抑圧からの解放であるとの宣教理解となりました。そして、在日コリアンとして生きる青年たちの熱情に導かれ、他民族・多文化共生の実現と、全ての尊厳が尊重されるためにキリスト教は世界に変革をもたらす責任を負っているとの宣教理解のもと、教会全体で外登法抜本改正運動に参与していきました。抑圧する側も共に解放されることを日本社会に向かって呼びかけることから、エキュメニカルな連帯が形作られました。外キ協運動もこの呼びかけに応えることから始まりました。こうして広範な連帯のエネルギーによって指紋押捺制度の全廃を勝ち取るに至りました。

また聖書の読み直しを通して、難民・移住者への支援において、被支援者の自己決定権を否定する疑似家族的関係が形成され、在留資格を取得するために女性を資源と見なす父権制への包摂(帰化)が要求されることの問題性を認識しました。

外キ協は、来年40周年の節目の時を迎えようとしています。1980年代初頭に本格化した在日コリアン、そしてさまざまな国籍の外国人住民による指紋押捺拒否の動きは、各地外キ連の発足、更には1987年の外キ協の結成へと至りますが、その一つの到達点は2000年の指紋制度全廃と言えます。不当な差別や管理に否を唱える個々人の決断が、日・韓・在日教会における宣教課題となり、ネットワーク形成を生み出していったのです。

やがてその視座は、グローバル化の中で増大する移住外国人労働者に移っていくこととなりました。様々な国際人権条約から多くの示唆を与えられつつ作成した「外国人住民基本法」の制定こそが人権を守り、多民族・多文化共生社会を形作る根源となるとのビジョンが、外キ協第二期の中核です。

地方の隅々に点在する外国人住民の生活に対しては、ヘイトスピーチ・ヘイトクライム、入管難民法の改悪(2023年・2024年)ばかりか、「言葉」「制度」「就労」の三つの壁が立ちはだかっています。その一人ひとりが真実に社会の一員となっていく中で、正しい歴史認識、人権感覚、尊厳回復が果たされることを信じるものです。

こうした歩みの中で外キ協は、外国人住民と「共に生き、共に生かし合う」関係を築く課題が、マジョリティである日本人・日本社会の歴史的及び現在的問題であることを認識し、各地外キ連、加盟教派・団体の水平的関係のもとでそれぞれの経験と取り組みを共有し、運動の道を切り開いてきました。

これらの到達点をふまえて、外キ協は第三期の新たな宣教プラットフォームのあり方を検討し、2026年に新たな態勢と展開を提案することを目指します。

私たちは今日、在日大韓基督教会大阪教会を会場に「第39回『外国人住民基本法』の制定を求める全国キリスト者集会」を開催し、現状の課題を確認し、共なる解放をめざす新たな福音宣教の歩みを踏み出すことを決意します。

 

2025年124

39回「外国人住民基本法」の制定を求める全国キリスト者集会 参加者一同

外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会

 

2025年第39回外キ協全国集会宣言文(確定版)

 

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