2014年/第28回「外国人住民基本法」の制定を求める
全国キリスト者集会宣言
2014年1月23日から24日にかけて、「外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会」(外キ協)は、第28回全国協議会を日本キリスト教会館にて開催しました。「『いと小さき者』の自由と尊厳」という主題のもとに、韓国基督教教会協議会正義・平和委員会、各地外キ連および外キ協加盟各教派・団体の代表者ら約35名が参加しました。協議会では、東日本大震災における外国人被災者の現状や外国人被災者支援の今後の課題について共有し、近年大きな問題となっているヘイトスピーチへの取り組み、そして多民族・多文化共生社会の実現について話し合いました。
そして今日25日、日本バプテスト同盟東京平和教会において、カチン・クリスチャン・ピースチャーチ、カレン・クリスチャン・フェローシップの協力のもと「多民族が共に賛美し、共に祈り、共に喜ぼう!」の主題のもと、「第28回『外国人住民基本法』の制定を求める全国キリスト者集会」を開催しました。
2011年3月11日に発生した東日本大震災以来、多くの外国人住民が地域社会において孤立していた実態が明らかとなりましたが、その状況は3年近く経過した今も大きく変わっていません。被災外国人住民の痛みを私たちは憶え続けなければなりません。
それと共に、2012年7月から施行された新しい在留管理制度は、外国人住民の管理と排除を進め、地域社会から切り離し孤立させ、社会の再生を妨げています。外国人住民が地域の一員として共に生きる社会の実現のためには、管理と排除ではなく、地域に生きる一人一人が互いの文化を分かち合い、互いを尊重しあう社会環境と法整備が不可欠です。
近代の日本が歩んできた歴史では、多様な文化、そして一人一人の命の尊厳が守られることなく、踏みにじられてきた過去がありました。そして2013年には外国人住民とりわけ在日韓国・朝鮮人に対する排外的・暴力的・攻撃的なヘイトスピーチ(差別煽動)が激化しました。出自、民族、文化の違いによって、その命の尊厳が貶められるのは許されないことです。過去に目を閉ざすことが、共生社会の実現を阻んでいます。過去の日本の戦争と植民地支配の歴史に学ぶことを通してこそ、真の共生社会、多民族・多文化共生を実現する新しい未来を目指すことができると私たちは考えます。
今日の集会で私たちは、多様な文化と民族が出会い、悲しみと痛みを分かち合いつつ、その中で賛美の声と祈りを合わせる喜びを体験しました。社会の中で最も小さくされた者の声に耳を傾け、その命の自由と尊厳を守る社会を目指すことは、全てのキリスト者に託された使命です。
一人一人の命の自由と尊厳が守られる外国人が暮らしやすい社会とは、日本人にとっても暮らしやすい社会に他なりません。そのような社会の実現のために、外国人住民を共に地域に暮らすパートナーとしてその人権を守る外国人住民基本法と、外国人住民に対する差別を防ぐ人種差別撤廃法の制定を求めます。
私たちはこれらの課題を、社会の中で最も小さくされた者と共に歩まれたイエス・キリストの福音を伝えるために、キリスト者一人一人に与えられた使命として取り組んでいくことを決意します。
2014年1月25日
第28回「外国人住民基本法」の制定を求める全国キリスト者集会 参加者一同
外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会