衆議院議長 様
参議院議長 様
「外国人住民基本法」と「人種差別撤廃法」「難民保護法」の制定を求める国会請願書:2024年
世界のすべての人びとに開かれた社会を
いま世界は戦乱が続き、多くの人びとが故郷から追われています。それは日本も同様で、2021年原発事故、2024年能登地震で、故郷を離れざるをえない人びとが多くいます。とくに、これまで社会的に周縁化され、経済的にも脆弱な位置に置かれていたマイノリティ(少数者)は、さらに窮地に追い込まれています。
すでに日本は、難民条約や国際人権規約(社会権規約・自由権規約)、女性差別撤廃条約、子どもの権利条約、人種差別撤廃条約に加入しています。しかし、国連の自由権規約委員会が2022年、日本政府に勧告したように、これらの国際人権法が、国内法に十分に反映されていません。そのために、日本に逃れてきた難民申請者のほとんどが難民として認定されません。また日本で暮らす外国人住民は、国際人権法で保障されている生活保護など社会保障を受ける権利、子どもの教育への権利、自らの文化を維持・発展させる権利、住民投票など地域社会に参画する権利など、多くの権利が制限されています。さらに、学校でのいじめ、就職差別、入居拒否、入院拒否、ヘイトスピーチ、ヘイトクライムなど、日常生活においても外国人住民に対する偏見と差別による行為が繰り返されています。とりわけ難民申請者や入管収容を解かれた仮放免者たちは、就労することが禁止され、健康保険にも入れず、命も尊厳も奪われようとしています。
この日本社会が、日本人も外国人もすべての人たちにとって住みやすい社会にすることが必要です。そのためにまず、日本社会に今なお根強く残っている外国人に対する偏見や差別を是正する法制度を整えること、すべての外国人が地域社会を構成する「住民」として参画できる法制度が求められています。
私たちは国会に対して、次のことを求めます。
1.国会は、外国人住民に対する総合的な人権保障制度を確立するための特別委員会を設けて「外国人住民公聴会」を各地で開き、外国人法制度の抜本的な改正をおこない、包括的な移民政策と人権政策への転換を図ること。
2.国会は、日本国憲法および国際人権条約に基づいて、「外国人住民基本法」と「人種差別撤廃法」「難民保護法」を制定すること。
2024年 外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会(外キ協)
(日本カトリック司教協議会/日本キリスト教協議会/日本基督教団/在日大韓基督教会/日本聖公会/日本バプテスト
連盟/日本バプテスト同盟/日本キリスト教会/日本自由メソヂスト教団/日本YWCA/日本福音ルーテル教会)
[署名締切日]2025年1月10日
[送り先]〒169-0051 新宿区西早稲田2-3-18-52 外キ協