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 2016年/第30回「外国人住民基本法」の制定を求める全国キリスト者集会宣言 


2016128日から29日にかけて、「外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会」(外キ協)は、第30回全国協議会を東京、在日本韓国YMCAにて開催しました。「外キ協30年の歩みを共有し、宣教課題を定立しよう」という主題のもとに、北海道から九州までの各地外キ連および外キ協加盟各教派・団体の代表者ら38名が参加しました。そして今日わたしたちは日本基督教団聖ケ丘教会において「第30回『外国人住民基本法』の制定を求める全国キリスト者集会」を開催しました。


協議会では、これまでの外キ協30年間にわたる取り組みについて共有し、これからの日本社会とキリスト教会の使命について意見を交わしました。また、日本における人種差別撤廃基本法と外国人住民基本法の制定に向けての課題を確認し、わたしたちが求めてきた多民族・多文化共生社会のあり方について論議しました。そして、社会の中で小さくされた者の声を聞きとり、受け入れることに福音宣教の使命があることを聖書から聞きました。


1980年から始まる指紋押捺拒否の運動は、多様な民族的・文化的背景を持った者たちが共に生きる社会の実現を求めていくことが、敵意と憎悪によって蝕まれている社会を癒し、神の国の福音を伝えるためのキリスト教会の重要な宣教課題であることを明らかにしてきました。またこの取り組みは、日本の中の諸教会が教派を超えて協働する場となり、さらに世界のキリスト教会と使命を共有し連帯する道を創り出してきました。こうした歩みには終わりが無いこと、心から共に生きる喜びを分かち合う多文化共生社会を求め続けることは、これからも変わらず大切であることを、私たちは確認しました。


しかし、現在日本において行なわれている在留管理制度は、外国人住民の管理と排除を強化し、地域社会の一員として生きることを妨げています。また東北の被災地、とくに福島においては、住民の意思が無視されて“復興”が進められています。地域に生きる一人一人が互いを尊重し合い、互いの文化を分かち合うことによってこそ、全ての人の人権が守られる社会が実現します。そのような社会の実現を目指して、私たちは「外国人住民基本法」の制定を引き続き求めてゆきます。


現在、世界で排外主義の高まりが大きな問題となっており、それは従来よりマイノリティに対して同化を押し付けてきた日本社会においても例外ではありません。日本において2000年代以降顕在化してきた人種憎悪と差別を扇動する動きはさらに深刻さを増しています。日本は2014年、国連自由権規約委員会と人種差別撤廃委員会から、ヘイトスピーチなど「人種主義の表明、人種主義的暴力と憎悪に、断固として取り組むこと」を求められ、2015年5月、議員立法として「人種差別撤廃施策推進法案」が国会に提出されました。人種差別禁止を目的とした法案は、日本では初めてものであり、必要不可欠なものです。それにもかかわらず、この法案はいまだ成立していません。私たちはその早期実現を求めます。 


また私たちは、201511月に世界のキリスト教会の協力によって東京において開催された第3回「マイノリティ問題と宣教」国際会議の共同声明を踏まえて、日本におけるキリスト教会の使命として、社会の中のマイノリティの声を聞きとり、共に歩み、人種主義と闘う世界的なエキュメニカル・ネットワークに連帯してゆきます。


現在日本では、過去の戦争と植民地支配の歴史を否定する流れが作られようとしています。しかし、過去に眼を閉ざすことは、再び戦争へと向かうことであり、社会の中で憎悪と排除を生み出し、共に生きる未来を閉ざしてしまうことを、私たちは知っています。真の多民族・多文化共生社会を実現するために、過去の歴史と真摯に向き合い、平和を求め続けなければなりません。


「主はこう言われる。正義と恵みの業を行い、搾取されている者を虐げる者の手から救え。寄留の外国人、孤児、寡婦を苦しめ、虐げてはならない」(エレミヤ書22章3節)


私たちは現代を生きるキリスト者として、この世界で和解と共生を求めていくことを、自らに託された福音宣教の使命として取り組んでいくことを決意します。


2016年1月30


30回「外国人住民基本法」の制定を求める全国キリスト者集会 参加者一同


外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会

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