第17回 韓国・日本・在日教会国際シンポジウム 共同声明文


「神は、キリストを通してわたしたちをご自分と和解させ、また和解のために奉仕する任務を

わたしたちにお授けになりました。」(競灰螢鵐硲機18)

 

私たち韓国・日本・在日のキリスト者は、2014年10月7〜8日、戦争の悲劇と平和の祈願を体現する、日本広島県広島市の国際青年会館アステールプラザならびに日本バプテスト連盟広島キリスト教会で、「未来への責任:東アジアの和解と平和—日本・在日・韓国教会の共同課題をヒロシマから考える」という主題のもと、第17回国際シンポジウムを開催した。

朝鮮半島の南と北が核問題を中心に激しく対立し、世界第二の経済大国として浮上しようとする中国を押さえ込もうとするアメリカの覇権が揺らぐ変革期を、私たちは迎えている。国家間の領土紛争が増加しており、日韓両国の保守政権によって歴史歪曲が進行している。さらに、日本の平和憲法再解釈と集団的自衛権容認による再軍備化ならびにアメリカ軍の再配置と、強化された日米韓共同軍事演習が朝鮮半島と東アジアの和解と平和を脅かし、残虐な戦争へといたる懸念が増しつつある。

そして近年、韓国と日本において、外国人住民に対する排外主義的傾向が高まっている。偏狭な国粋主義に基づく差別的・排外主義的な言説が、インターネットやマスメディアを通じて無批判に拡散され、人権保護への取り組みにたいする脅迫や、「ヘイトスピーチ」と呼ばれる差別煽動行為が繰り返されている。これらの差別行為は、両国が既に批准している国連人種差別撤廃条約において明確に犯罪行為として規定されているにもかかわらず、両国は対応する国内での差別禁止法を整備するにいたっていない。

その結果、両国の外国人住民に対する差別的言動は増加の一途を辿っている。韓国社会においては、排他的な自民族中心主義が移住労働者への搾取制度の改善と人種差別の克服を妨げている。一方、日本社会においては、過去の侵略と植民地支配という暴力の歴史に対する反省の深化と共有がいま急速に失われていることが、近隣諸外国に対する敵意を煽り、そのことが外国人住民、とりわけ在日韓国朝鮮人に対する差別的言動を蔓延させる大きな要因となっている。

このような東アジアと日韓両国の状況を、私たち韓国・日本・在日教会に集うキリスト者は深く憂慮する。私たちキリスト者は、神に作られたすべての命の尊厳が守られる社会の実現のために、共に祈りと力を合わせなければならない。神から和解と希望の福音を告げる使命を託されている者として、憎悪と差別とが満ちるこの社会の中で、私たちは沈黙することなく共に声を上げなければならない。過去の暴力の歴史に向き合い、その過ちを真に告白し、和解と信頼が実現する未来へと私たちは共に歩まなければならない。

それゆえに、私たち韓国・日本・在日教会に集うキリスト者は、以下の事柄について、共に取り組んでゆくことを確認する。

 

1.私たちは、東アジアの和解と平和のために、広がりを見せる歴史歪曲と領土紛争と軍備増強に反対し、日韓両政府が正義と平和と命のために仕えるよう求め、「見張り」の役割を果たす。

2.私たちは、日韓両政府が「人種差別禁止法」を制定し、外国人住民と社会的少数者の権利を保障することを求める。

3.私たちは、植民地主義、人種主義を乗り越え、共に生かし合う教会と社会を形成するために、互いの課題と成果を共有することのできるネットワーク作りを推進する。

4.私たちは、韓国・日本・在日教会が出会い、歴史教育、平和教育、人権教育をより豊かにするため学び合うプログラムを推進する。

5.私たちは、外国人住民の権利保障が福音宣教であることを認識し、その実現のためにアジアと世界の教会との協力を推進する。

6.私たちは、これらの使命を担うために韓国・日本・在日キリスト者の連帯と協力を継続することを確認し、第18回国際シンポジウムを2016年、韓国で開催する。

 

2014年10月8日

第17回韓国・日本・在日教会国際シンポジウム 参加者一同

韓国基督教教会協議会(韓国NCC)正義と平和委員会

外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会(外キ協)

日本キリスト教協議会(日本NCC)在日外国人の人権委員会