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2009年/第23


「外国人住民基本法」の制定を求める全国キリスト者131集会宣言


 


2009年1月2930日、「外登法問題と取り組む全国キリスト教連絡協議会」(外キ協)は、第23回全国協議会を、カトリックさいたま教区事務所と別所沼会館にて開催した。「宣教課題としての外国人住民基本法」という主題のもとに行われた全国協議会には、韓国基督教教会協議会、韓国教会在日同胞人権宣教協議会、各地外キ連および外キ協加盟各教派・団体の代表者40名が参加した。


協議会では、2009年に予定されている外登法・入管法改定の問題点やこれからの外キ協運動のビジョン・方法論について協議すると共に、関係諸団体の現場における取り組みを分かち合った。


そして、今日31日、浦和カトリック教会にて、「共生の天幕を広げよう」という主題のもと、「第23回『外国人住民基本法』の制定を求める全国キリスト者1・31集会」を開催した。


グローバリゼーションの帰結として、アメリカの金融危機に始まった世界的不況のただ中に日本はある。その歪みは、社会の構造的弱者に集中している。その中でも、ニューカマーと呼ばれる外国人労働者とその家族の多くは、人間としての最低限の生活が脅かされている。住居を失い、必要な医療を受けることもできず、子どもの教育の権利すら奪われている。そうした彼ら彼女らの困窮と叫びは日本社会の中の痛みとして顧みられていない。それは、国籍や在留資格のいかんにかかわらず守られなければならない普遍的な人権が、日本社会においてはないがしろにされている実態を物語っている。今国会で審議されている定額給付金は、本来最もそれを必要としている彼ら彼女らの緊急支援のために使われるべきである。


現在、外国人登録をしている在日外国人は215万人を超えており、グローバリゼーションが進む中、この状況は今後も進んでいくことは明らかである。本来、日本政府は、日本人と外国人の共生の道を整備する立場にある。しかし今日本では、「出入国管理及び難民認定法」(入管法)を中心に、政府による外国人管理体制の強化が行われている。テロ対策として入国・再入国時の指紋・顔写真登録制度が2007年より実施されたが、日本でも、米国でも、同制度がテロリスト発見につながったというケースはない。


また、日本政府は200710月に「外国人雇用状況報告制度」を義務化し、2009年には、「外国人IC在留カード」導入など、外国人管理強化を徹底することを計画している。それは、外登法の廃止の実現として歓迎すべきものなのでは決してなく、むしろ共生の理想に真っ向から対抗するものである。それは、一人ひとりの市民に管理の役割を押し付けることによって、国籍や在留資格による分断と支配を徹底するものでしかない。


 このような差別・排外主義の背後には、歴史に真摯に向き合わない日本政府の姿勢がある。近隣諸国の人びとと共有できるような歴史教育を実施しようとしないことが相互の理解と連帯を阻んでいると共に、弱者を切り捨てる日本社会の歪みの温床となっている。


私たちが求めているものは、外国人を共に地域社会をつくる住民として位置づける「外国人住民基本法」の制定である。それは外国人住民だけではなく、日本に生きる者すべてにとって生きやすい社会の実現を目指すものである。


共に生きるとは、痛みを分かち合うことでもある。しかし、この痛みを通して、私たちは神の民として結び合わされるのである。多文化・多民族化する日本社会にあって、日本の教会もまた多文化・多民族化し、外国籍信徒が増加している。聖書によれば、奴隷の地を脱し、荒れ野を彷徨した民は天幕において、嘆きと苦しみからの解放の希望を得た。いつの世も、民の叫びと苦難があるところに天幕が張られる。私たち今日のキリスト者もまた、教会がこの天幕としての共生共同体のモデルとなっていくことを切に祈り求める。私たちは、日本社会の中で教会がこの働きを担うことで、主と出会い、主にある平安と希望を分ちあうことができるように、次の聖句のビジョンをもちつつ、主の導きを祈り願うものである。


   「見よ、神の幕屋が人の間にあって、神が人と共に住み、人は神の民となる。神は自ら人と共にいて、その神となり、彼らの目の涙をことごとくぬぐい取ってくださる。もはや死はなく、もはや悲しみも嘆きも労苦もない。」(ヨハネの黙示録21章)


 


〈政府および関係諸機関への要求項目〉


1.政府および国会は、外登法を廃止すると共に、政府が現在計画している「外国人台帳法」構想を撤回し、外国人住民の包括的な人権保障のための「外国人住民基本法」を制定すること。


2.政府は、「IC在留カード」の新設などを含む、在日外国人の管理強化を目的とした入管法の改定案を撤回すること。


3.入管法における外国人指紋・顔写真登録制度の実施を中止すること。


4.「外国人雇用状況報告制度」を中止し、超過滞在者への在留資格付与(アムネスティ)など、入管法の抜本的改正を行なうこと。


5. 在日韓国・朝鮮人など旧植民地出身者とその子孫に対して、日本の歴史責任を明記し、民族的マイノリティとしての地位と権利を保障する人権基本法を制定すること。


6.国際人権法に基づく「人種差別撤廃法」を制定すると共に、政府行政機関から独立した「人権委員会」を創設すること。また「すべての移住労働者とその家族の権利保護条約」を速やかに批准すること。


7.地方自治体は、在留資格の有無や違いにかかわらず、外国人住民の生活権を保障すると共に、外国人住民の住民自治・地方自治参画を積極的に推進すること。また、人種差別禁止条例、多民族・多文化教育指針を作成し、実施すること。


8.国会は、米国議会などの決議を誠実に受け止め、「戦時性的強制被害者問題解決促進法」「恒久平和調査局設置法」を速やかに制定すること。


9.政府は、歴史の真の清算と和解に向けて、日朝国交正常化交渉を粘り強く進め、日朝国交の実現と「拉致問題」を解決すること。


10.東アジアの和解と平和を実現し、ひいてはアジア全体や世界に対する不戦の誓いを実現するために「平和憲法」を具現化すること。


 


〈私たちの取り組み〉


1.「外国人住民基本法」制定を求める署名運動を、私たちの要求実現まで継続する決意を新たにし、より一層推し進める。


2.入国時における指紋など生体情報の登録制度および非正規滞在者を完全に排除する在留管理制度が、日本・米国以外の国に波及することを懸念し、その阻止および中止を実現するために世界のキリスト教会と連帯し、情報の共有をはかる。


3.教会内で声なき人の声を聞き取ることができるよう、また外キ協活動が宣教課題として認識・理解され協力が得られるよう、各地外キ連、諸教派・団体、神学校と共に、学習会・研修会などの機会を拡げていく。そしてその際、日・韓・在日共同ブックレットを積極的に活用していく。


4.第14回外登法問題国際シンポジウムを韓国・光州で開催すると共に、韓国教会「在日同胞苦難の現場訪問」を実施する。


5.多民族・多文化共生をめざすユース交流会や第2回キリスト者青年現場研修プログラムを推進していく。


 


 


2009年1月31


23回「外国人住民基本法」の制定を求める全国キリスト者131集会 参加者一同


外登法問題と取り組む全国キリスト教連絡協議会


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