調査報告
調査報告 : 外国人被災者支援プロジェクト中間報告
投稿者 : secretariat 投稿日時: 2012-10-01 17:16:52 (1902 ヒット)

※ここでは一部だけを紹介しております。詳細な報告については、ニュースレターのコーナーにある「外国人被災者支援プロジェクト中間報告」(PDF書類)をダウンロードしてご覧ください。

 

外国人被災者支援プロジェクト中間報告
(2011年9月〜2012年8月)
(2012年9月発行)

◆≪支援プロジェクト≫

東日本大震災によって被害を受け、復興に向けて日夜たたかっている東北の人びと。その東北に暮らすのは、日本人だけではない。さまざまな理由によって東北の地に根を下ろして暮らしている外国人住民たち(2011年3月、災害救助法が適用された市町村に住んでいた外国人7万5千人)も、日本人と同じように、あるいは日本人よりもさらに過酷な条件の中で日夜たたかっている。
老人や子どもたち、障害者たちと並んで「被災弱者」となっている被災外国人の状況に目を向け、その問題を共に担っていこうという思いのもと、「外キ協」と、「東北ヘルプ」、「NPO笑顔」の3団体は、海外教会の支援を受けて2011年9月、≪外国人被災者支援プロジェクト≫を立ち上げた。
≪支援プロジェクト≫は、三つの方向で進めている。(1)調査事業、(2)自立支援プログラム、(3)情報の共有とネットワークの構築である。




◆調査事業

外国人被災者支援の第一歩は、「知る」ことから始めた。
震災の中で飛び交う外国人に関する情報は、どれも不確かで極端なものであった。「余震や放射能汚染を恐れて外国人はみな逃げだしてしまった」「混乱に乗じて外国人が犯罪を働いている」「避難所や仮設住宅で、外国人たちが不平等な扱いを受けている」といったものである。
被災地に暮らす外国人住民たちが抱える困難とはいったい何なのか? その問題を正確に知るために、私たちは下記の三つの方法で調査を始めた。
そして私たちは2012年4月、調査活動を拡げるとともに、調査を支援へとつなげるために、≪外国人被災者支援センター≫を仙台に設置した。
このような調査と出会い、支援の中から、被災した外国人が抱える問題の実相が浮かび上がってきている。
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日本に住む外国人は、その出身国(民族)別に大小のコミュニティを形成して暮らしている。≪支援センター≫は各言語に対応できる調査員を配置し、それぞれのコミュニティをつたっての調査活動を始めた。
また、電話相談口を設置して、チラシを関係各所に配布し、外国人被災者からの連絡を待った。
仮設住宅の訪問調査
被災地における外国人の分布は、思った以上に万遍なく、広大であった。そこで、調査員をまず宮城県の南三陸町や石巻市などに連日派遣し、仮設住宅を回りながら調査活動を行なった。
調査活動にあたり、調査チームは、各教会やアジア学院などから寄せられたお米を「希望の米」として、訪問した仮設住宅に届ける「希望の米プロジェクト」を並行して実施した。南三陸町では「NPO笑顔」が仮設住宅60カ所すべてを回り、全戸数分のお米を届けることができた。
「研究者&自治体」共同のアンケート調査
東北学院大学の郭基煥研究室は、被災外国人の状況を細かく知り、分析するためのアンケート用紙を作成した。そして2012年3月、石巻市役所の協力を得て、石巻市に居住する20歳以上の外国人約400人にアンケートを送付し、そのうち92名から回答があった。
また回答の中で、「東北ヘルプ」「NPO笑顔」に支援を求めてきた外国人39人に対して、≪支援センター≫は6月から面接調査と緊急支援を始めている。

◆自立支援プログラム

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一般の被災者支援と同じく、外国人被災者支援も、本人たちの生活が自立を成し遂げるまでの過程を「寄り添う」ことを、私たちの最終目標としている。
調査活動と外国人被災者たちとの出会いの中から見えてきた彼ら彼女らのニーズに対応して、次のいくつかの方法で支援を進めている。
緊急支援
調査活動と並行して、市役所や入管局への同行支援、親を喪った子ども(外国にルーツを持つ子ども)に対する就学支援など、さまざまな緊急支援を行なっている。
F本語教室
東北に定住する外国人たちの中で大きな比重を占めるのは、1990年代以降、嫁不足の農村・漁村に国際結婚で定住した移住女性たちである。彼女らとの出会いの中で見えてきた一つの大きな課題は、言語習得の不十分さによる「コミュニケーション障害」であった。震災前からあったこれらの問題は、被災による家族、財産、生活手段の喪失という出来事を経て、彼女たちの立場をますます困難にしている。
その彼女たちのコミュニケーション力を養い、震災後の生活環境への対応と就労活動をサポートするため、宮城県大崎市古川、南三陸町、石巻市において、韓国人・中国人・フィリピン人など、移住女性を対象とした日本語教室を実施している。また、外国にルーツを持つ子どもたちへの母語教室の準備も始めた。
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福島第一原子力発電所の崩壊事故による放射能汚染は、外国人定住者たちの健康と生活基盤に深刻な影響を及ぼしている。
そのような中で、不安とたたかいながら、さまざまな理由から福島で生きていくことを決意したフィリピン人女性たちのグループがある。「ハワクカマイ」(HAWAK KAMAY FUKUSHIMA=手をつなごう福島)と名付けられたこのグループは、2011年3月、生活基盤の樹立とより強固なコミュニティ作りを目指して自助組織を設立した。そして現在、英会話教室を始めるとともに、幼児のためのプリスクール設立の準備を始めた。
私たちは彼女たちの活動を、YWCAや聖公会、CTIC(カトリック東京国際センター)など教会関係機関と共に支援している。

◆情報の共有とネットワークの構築

被災地で外国人の支援を行なっているのは、このプロジェクトだけではない。各自治体の国際交流協会や、各宗教団体、NGO・NPOによる支援プロジェクトなど、さまざまな立場の人びとがさまざまな方法で、被災地に定住していこうとする外国人たちをサポートしている。
これらの活動を分かち合い、協力・連携していくネットワークを築くために、私たちはこれまでシンポジウムを2回開催した。2011年11月8日には、教会関係機関、個教会、国際交流協会、人権NGO、研究者などに呼びかけて、日本基督教団東北教区センター・エマオでシンポジウム「外国人被災者は今――私たちの課題」を開催した。
これらの開かれた話し合いの場を通じて、外国人被災者支援の課題と目標が確認され、分かち合われている。(許 伯 基)
 

◇外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会(外キ協)◇
*外キ協は2012年1月、上記に名称変更をしました
◇仙台キリスト教連合被災者支援ネットワーク(東北ヘルプ)◇
◇NPO法人 笑顔のお手伝い(NPO笑顔)◇

◆献金先◆
◆郵便振替 00120-0-763841  口座名:外キ協被災者支援
◆三菱東京UFJ銀行 高田馬場支店(普通)0435182  口座名:ガイキキョウ被災者支援


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